生成AIで変わる学校教育|先生の負担軽減と子どもの学びを両立する活用ガイド
2026/03/30
この記事でわかること
・生成AIが学校教育の中で注目されている理由と、その背景
・授業・校務それぞれにおける具体的な活用方法とメリット
・文部科学省ガイドラインに基づく、安全・安心な利用のポイント
・コニカミノルタ「tomoLinks」による導入・活用事例
・学校として生成AI活用を進めるための実践ステップ
生成AIが学校で注目される理由
生成AIは、「文章や画像、プログラムを自動で作成できるAI」として、2022年11月のChatGPT公開以降、教育分野でも急速に広がりました。文部科学省は2024年12月、「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン(Ver.2.0)」を公表し、学校での活用に向けた考え方や留意点を整理しています。
GIGAスクール構想によって1人1台端末が整備され、学習履歴や評価結果など、子どもたちの学びに関するデータも蓄積されるようになりました。この環境の中で、生成AIには次のような役割が期待されています。
・児童生徒一人ひとりに合わせた「個別最適な学び」の支援
・教員の授業準備・校務負担の軽減による働き方の見直し
・情報活用能力・AIリテラシーなど、新しい時代に必要な力の育成
一方で、誤った情報をもっともらしく出してしまう「ハルシネーション」や、学習データに由来するバイアスの問題など、リスクにも配慮する必要があります。だからこそ、ガイドラインをふまえて「どう使うか」を学校として考えることが重要です。
参考:文部科学省「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン(Ver.2.0)(2024年12月26日)」
参考:文部科学省「GIGAスクール構想について」
学校における生成AIの具体的な活用方法
ここからは、先生の校務と、児童生徒の学習活動という2つの視点で、生成AIの活用イメージを整理します。
教員の校務での活用例
教員の業務は、授業準備、評価、保護者対応、校内会議、学校行事の運営など、多岐にわたります。生成AIは、こうした業務のうち「考えのたたき台づくり」や「定型的な文書作成」の部分を支えることで、先生の時間の使い方を変えることができます。
授業準備の場面
授業準備では、単元のねらいや扱いたい内容を入力し、授業で使うプリントや確認テスト問題の案を生成AIに作成させることができます。その案をもとに、先生が学級の実態に合わせて修正することで、ゼロから作るよりも短時間で教材を整えることができます。また、授業中の発問に対して子どもたちからどのような意見が出そうかを事前にAIにシミュレーションさせることで、板書の構成や深め方を考える参考にもなります。
学校運営・事務の場面
学校運営では、学年だよりや学級だより、給食だより、保健だよりなどの文案を作る際に、伝えたい要点を入力して文章のたたき台を作ってもらう活用が考えられます。学校行事の案内文やホームページに掲載する記事の素案、校内研修の概要文、講演会の要約といった場面でも、生成AIは下書きを用意してくれます。
こうした「たたき台」を生成AIに任せることで、先生は中身のチェックやアレンジに時間を回しやすくなります。
▼小学校・中学校・高校それぞれでの活用事例・詳細については以下記事もご覧ください。
・【小学校向け】生成AIを活用の教育ガイド
・【中学校向け】生成AIを活用の教育ガイド
児童・生徒の学習活動での活用例
児童・生徒の学びに生成AIを取り入れる場合、ガイドラインでは次の3つの段階に整理しています。
1. 生成AIについて学ぶ段階
ここでは、生成AIの仕組みやできること・できないこと、ハルシネーションやバイアスといったリスクを知ることが中心になります。あえて誤りを含んだ出力を教材として提示し、どこが間違っているのか、どう調べれば確かめられるのかを考えさせる授業は、情報モラルの教育としても有効です。
2. 使い方を学ぶ段階
質問の仕方を工夫すると回答の質が変わることを体験させたり、生成AIの回答をそのまま受け取るのではなく、複数の情報源と照らし合わせて判断することの大切さを学ばせたりします。ここで身に付く力は、将来、社会の中でAIを使いこなすうえでも重要になります。
3. 教科等の学びで活用する段階
外国語では、生成AIを会話相手として利用したり、自分の英作文をより自然な表現に整えてもらったりする活用が考えられます。プログラミングでは、実現したいアイデアを文章で説明し、コードの例を提示してもらうことで、学びのきっかけを得ることができます。総合的な学習や探究活動では、グループで議論した内容をまとめる途中で生成AIに相談し、「自分たちにはなかった視点」を取り入れて議論を深めることもできます。
例えば、国語の授業では「生成AIが書いた文章」と「人が書いた文章」を比較し、どこが不自然か、どこを直すべきかを話し合うことで、情報モラルと表現力の両方を学ぶことができます。英語では、生成AIを会話相手として使い、発音や表現のバリエーションを増やす使い方も考えられます。
生成AIの活用は、いきなり全校導入を目指すよりも、授業の一場面で小さく試して手応えを確かめる方が進めやすくなります。
tomoLinksでは、授業での活用を想定した実践アイデアや、先生が見守りながら運用しやすい生成AIの機能などを紹介しています。
授業での実践例を見て、使いどころを探したいという方はぜひご覧ください。
安心・安全に使うためのポイント(文科省ガイドラインより)
文部科学省のガイドラインでは、学校で生成AIを利活用する際のポイントとして、次の5つが示されています。
1. 安全性を考慮した適正利用
サービスごとの利用規約や年齢制限、保護者の同意の要否、生成物のライセンスなどを確認し、その範囲内で利用することが求められます。
2. 情報セキュリティの確保
教育委員会の情報セキュリティポリシーに基づき、業務用端末の利用やアクセス権限の管理などを徹底するとともに、特に重要な情報はプロンプトに入力しないといった運用ルールを明確にしましょう。
3. 個人情報・プライバシー・著作権の保護
個人が特定される情報を安易に入力しないようにすること、授業目的を超える利用で著作権侵害が起きないよう配慮することが求められます。
4. 公平性の確保
AIの出力には学習データによる偏りが含まれる可能性があるため、そのまま採用するのではなく、人間の判断を介して妥当性を確認する必要があります。
5. 透明性と説明責任
学校として、生成AIを何のために、どのように使うのか、そのリスクと対策も含めて整理し、教職員や保護者、児童生徒に丁寧に説明していくことが大切です。
tomoLinksで広がる学校の生成AI活用
学校で生成AIを安全に使うためには、「教育向けに設計された環境」を選ぶことも大切です。ここからは、学習支援サービス「tomoLinks(トモリンクス)」をご紹介します。
tomoLinksとは
tomoLinksは、教育データとAIを活用して「子ども一人ひとりの学び」と「先生の指導」を支援し、教育現場における社会課題解決を支援するクラウド型サービスです。多様な児童生徒の個別最適な学びを提案する「先生×AIアシスト」、協働的な学びをサポートする「授業支援」など、教員や児童生徒を支える様々な機能をオールインワンで提供しています。
「先生×AIアシスト」では、テスト結果などの学力データや生活状況調査の結果をAIが分析し、個別最適な学習や指導に生かすことができます。大阪府箕面市では、約10年分のデータをもとに独自の分析モデルを作成し、6割以上の児童生徒の学力向上につながった事例もあります。
>児童生徒1人1人の教育データで、個別最適な学びと学力向上を実現!
対話型生成AI機能「チャッともシンク」
tomoLinksには、教育向けに設計された生成AI機能「チャッともシンク」も用意されています。主な特徴は次の通りです。
・入力内容はAIの学習に利用されない
・有害なキーワードや回答をフィルタリングする機能
・教員があらかじめプロンプトを設定できる
・教員から、児童生徒とAIとの対話履歴を確認できる
・13歳未満を含む児童生徒も利用できる安全な設計
・校務でも授業でも活用しやすい多数のテンプレートが標準搭載
先生側で「ヒントは出すが答えは直接言わない」といったルールを事前に設定できるため、「思考停止を防ぎつつ、考えを深める道具」として活用しやすい点が特徴です。
「チャッともシンク」は、授業のねらいに合わせて先生がAIのふるまいを設定し、児童生徒の思考を深める対話を後押しできる生成AI機能です。
まずは、知りたい内容に合わせて以下から確認してみてください。
機能を先に確認したい方へ
先生が設定できるポイントや安全設計を、全体像から把握できます。
生成AI活用支援機能
授業での使い方を見たい方へ
教科や学年別の「実践アイデア」がまとまっており、授業の流れがイメージしやすくなります。
生成AI活用 実践アイデア集
生成AI活用事例:国語の「推敲」と「振り返り」を支える(近畿大学附属小学校)
近畿大学附属小学校の国語で、対話型生成AI「チャッともシンク」を教員の補助役として使い、提案文の推敲と毎時間の振り返りにフィードバックを返した事例を紹介します。
この授業は、学校をよりよくする提案文を書く学習(自由進度学習)として進められ、児童はテーマ設定から情報収集、構成検討、文章作成、振り返りまでを自分のペースで取り組みます。その中で、下書きができた段階で生成AIに文章を入力し、指摘を受けながら表現や構成を整えていきます。
振り返りでも、児童が書いた振り返りの文章に対して生成AIが評価と助言を返し、児童はその内容を踏まえて加筆や修正を行います。
ポイントは、先生が事前に「小6に伝わる言葉で返す」「どこをどう直すとよいかを具体的に示す」「内容をよくする問いかけも返す」など、返答の方針を設定して活用している点です。また、学習の核になる「テーマ決め」はあえて生成AIに頼らず、友だちとの相談や先生との対話を重視した運用も示されています。
生成AIの活用により、児童がその場でフィードバックを受け取れてすぐに改善することができ、また先生も記述の確認のための時間を短縮できたことで、支援が必要な児童への声かけや見取りをよりしっかり行うことができるようになったとされています。
導入事例:tomoLinks 実践アイデア集(近畿大学附属小学校の事例)
生成AIとともに学校の学びをアップデートする
生成AIは、学校現場にとって「教員の業務を支える道具」であると同時に、「子どもの学び方そのものを変えるきっかけ」でもあります。文部科学省のガイドラインが示すように、人間中心の原則に立ち、最後の判断は必ず人が行うという前提を守れば、生成AIは教育を支える心強いパートナーになり得ます。
・教員の校務負担を軽減し、児童生徒と向き合う時間を増やす
・一人ひとりの習熟度に合わせた学びを支援する
・情報活用能力やAIリテラシーを育てる
こうした目的を意識しながら、まずはできるところから一歩踏み出すことが大切です。
tomoLinks(トモリンクス)は、そうした先生方の課題に向き合うために生まれた、学校教育向けの学習支援サービスです。学力データをもとに一人ひとりに合ったドリルを提案する「先生×AIアシスト」や、教育現場に配慮した対話型生成AI「チャッともシンク」などを通じて、授業改善と働き方改革の両方を後押しします。
生成AIを、先生と子どもたちの心強いパートナーにしていく第一歩として、tomoLinks を検討してみてはいかがでしょうか。