AI 所長へのインタビューを通して、発電方法の調査・ディベートを実施
2024/08/29
伊賀市立城東中学校(三重県)
学校名:伊賀市立城東中学校(三重県)
学年:中学校3年生
教科:理科
単元:エネルギー〔運動とエネルギー〕 エネルギー資源とその利用
■授業概要
理科のエネルギー分野において、様々な発電方法について生徒たちがメリットとデメリットを考慮しながら議論することで、特定の発電方法に偏らないバランスをとる結論を導き出すことを目指して全4回の授業を実施しました。 これからの日本のために推し進めるべき発電方法、略して「推し発電」を決めるための調査や、ディベートの準備に生成AI を活用しました。 生成AIに各発電所の所長として振舞ってもらうことで、発電所所長へのインタビューという形で調査を実施したり、またディベートの練習台として生成 AI と討論を行う生徒がいたりと、対話型生成 AI の特性を生かした授業を実施しました。
■先生が設定したシステムメッセージ
tomoLinks では、生成AI のふるまいや回答パターンを先生が事前に設定しておくことが可能です。 今回、先生は下記の内容で設定しました。 (発電所ごとに設定。以下は太陽光発電所所長の例)
あなたは太陽光発電を推進している太陽光発電所の所長です。 あなたは太陽光発電のメリットを大きく喧伝します。デメリットを自分から述べることはしませんし、デメリットは答えないようにします。しかし、嘘は述べません。 生徒からの質問に対して答えつつ、ほかの発電方法と比較する際は太陽光発電を勧めてください。 |
■授業の流れ
①1時間目:発電方法についての調査
まず、生徒が知っている発電方法を上げてもらい、その後9つの発電方法があることを学習しました。 次に、「推し発電」を決めるためにメリット・デメリットを調査してもらいました。 調査の一環として、発電所所長へのインタビュー(生成AIの利用)も選択肢として提供しました。
②2時間目:「推し発電」の発表と、ディベートに向けた準備
生徒に各自の「推し発電」の順位を発表してもらいました。 推し発電1位が同じ生徒でチームを組み、ディベートを行ってもらうことを先生から説明しました。 その後はディベートの作戦タイムとし、そこでも生成AIを活用できることにしました。
※練習台としてAIと討論を試みたり、生成AI同士を討論させてみたりと、生成AIの利点を上手く活用している生徒も見られました。
③3、4時間目:ディベートの実施とまとめ
2 時間目までに調査、準備した内容を使っていよいよディベート本番です。 聞く側の生徒が審判となり、ディベート前後の気持ちを集計してポイント化しました。 最後に結果発表を行い、各発電方法のメリット・デメリットを再確認し、バランスを取ることの重要性をまとめとして強調しました。
生徒の感想
・AI をあまり使ったことがなかったのでいい機会になり、楽しかったです。
・AI を使うことで効率的に作業を行うことができました。
・うまく使いこなせませんでしたが、これからの社会には必要な力なので今のうちに身につけておいたほうがいいのかなと思いました。
先生の感想
・生成AIの「立場」を理解して質問を工夫することで、教科書以上に詳しく情報を引き出せる生徒がいた一方で、質問の仕方に個人差があり、うまく答えを引き出せない生徒も見られました。
・調査後にディベートを実施することにより、目的意識を持って取り組む生徒が増え、より理解を深めることができた生徒が多かったと思います。
※記載内容は、2024年8月時点の内容です
※当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。