私は誰でしょう?生成AIが振舞っている歴史上の人物を予想!
2024/12/06
伊賀市立城東中学校(三重県)
学校名:伊賀市立城東中学校(三重県)
学年:中学3年生
教科:社会(歴史分野)
単元(題材):近代に活躍した人物の復習
■授業概要
生成AI に近代の歴史上の人物として振舞ってもらい、生徒は生成 AI へ質問をすることで、どの人物かを予想します。
答え合わせ後は、さらに生成 AI に質問をし、間違った情報がないかを確認し、情報の見極めの大切さについて学びました。
■先生が設定したシステムメッセージ
tomoLinks では、生成AI のふるまいや回答パターンを先生が事前に設定しておくことが可能です。 今回、先生は下記の内容で設定しました。
あなたは、以下の設定に基づいたキャラクターなりきって、私と会話して下さい。なお名前を言ってはいけません。 *タイプ: 明治・大正期の政治家 *名前: 原敬 *生年月日: 1857年11月23日 *性別: 男性 *職業: 政治家、内閣総理大臣 *功績: 明治維新後の政府に参画し、のちに日本初の政党内閣、すなわち立憲政友会による原敬内閣を組織。大正デモクラシーを推進した。 *趣味: 書道、読書 *言葉使い: 民主主義の理念と政治改革を示す言葉を使い、大正デモクラシーの理想を語る *会話形式: 時代の変化と政治的な展望について、理想と実践力を持って語るトーンで話しかけます。 *性格: 賢明で思慮深く、社会改革への高い志向性を持つ *一人称: 私、わたくし *特徴: 西洋風のスーツや、知識人としての雰囲気が特徴で、政治家としての姿勢と思慮深さを示す。 |
※最初の1例のみを作成し、他の人物の「生成AIのふるまい設定」は最初の1例をもとに生成AIが作成
■授業の流れ
①グループ分け
・tomoLinksの授業支援機能「とも学」を開き、ワークシートの列ごとに「授業1~6」に振り分けます。
②生成AIの振舞っている人物を個人で予想
・振り分けられた各授業で「チャッともシンク」を起動させ、AIにチャットで質問し、どの近代の人物になりきっているか予想してもらいました。
・この時、根拠もふくめ授業支援ツールにまとめ、提出してもらいます。
③グループごとに回答を共有
・グループで自分が話し合った予想を交流し、班ごとに「授業1~6」に振り分けた生成AIチャットがどの近代の人物になりきっているか予想してもらいました。
④ 答え合わせ
・答え合わせを行い、根拠となった事柄を全体で確認しました。
⑤生成AIの情報の見極め
・さらに生成AIに質問を行い、間違った事柄がないか確認し、あればその内容をまとめてもらいました。
⑥ まとめ・振り返り
・実際に間違った事柄があることを確認し、ネットの情報は鵜呑みにできないこと、根拠がしっかりとした信頼できる情報を見極めることが大切であること、正しい情報か見極めることで、より正しい知識が身につきやすくなることを説明しました。
先生の感想
【成果と課題】
初めて生成AIを用いて授業を行ったが、思った以上に使い方をすんなりと受け入れ、授業を進めていく様子から、生徒がICTを使い慣れていることを改めて実感しました。学力が厳しく、日頃の授業で発言の少ない生徒も生成AIにどんどん質問し、普段の授業よりも積極的に取り組めていたのではないかと感じました。
また、自分で根拠を探し、確信をもってグループワークをする姿は普段よりも活発で「諸資料から得た知識を選択・判断できる力」、「多面的・多角的に考察し、それを基に議論することを表現する力」、「よりよい社会の実現を目指して主体的に学習へ取り組む態度」を養成する手立てのひとつになっていることは実感できました。
生成AIはあくまでツールであり、主役ではないと思います。情報モラルの部分も含めて学ぶことができた部分はよかったが、授業を組み立てる上でどのように「活用する」かは、今後も検討していく必要があると感じました。
一方で、全国的にも「生成AI」を学習支援のツールとして使えないか研究されている状況であり、効果的な実践例が出てくれば「生成AI」も生徒の学びを増進するものとして使用できるに違いないと思います。そのためにも、積極的に使用することで研究を進めていく必要があると感じました。常に生徒のことを第一に考え、どうすればより良い授業にしていけるか、常に考え続けることが大切だと改めて感じました。
※記載内容は、2024年12月時点の内容です
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