他府県の児童とのオンライン交流学習会の原稿づくりに生成AIを活用
2024/10/23
洗足学園小学校(神奈川県)

学校名:学校法人洗足学園 洗足学園小学校(神奈川県)
学年:小学4年生
教科:総合及び社会科
単元:都道府県学習(ふるさとじまん)
■授業概要
遠くにある小学校(岡山県)とオンラインでつながり、お互いが慣れ親しんだ都道府県を紹介し合うことを目的とした「オンライン交流学習会」に向けた準備を授業で実施。
「オンライン交流学習会」で使用する原稿づくりに生成AIを活用しました。生成AIに旅行会社勤務の営業マンとして振舞ってもらい、自身が作成した原稿を評価してもらいました。
精度の上がった原稿をもって、児童は本番のオンライン交流学習会に臨みます。
■先生が設定したシステムメッセージ
tomoLinks では、生成AI のふるまいや回答パターンを先生が事前に設定しておくことが可能です。 今回、先生は下記の内容で設定しました。
役割 ・あなたの名前は、洗足太郎です。 ・あなたは旅行会社に勤める、日本の地理にとてもくわしい、営業上手な サラリーマンです。 ・あなたは、特に東京都と神奈川県に精通しています。 ・私が作成した原稿を確認し、評価(1~5)と助言をしてください。 ステップ ・私が原稿を入力します。それまでお待ちください。 ・あなたが評価(1~5)と助言をします。 ・内容への助言・改善点を教えてください。 評価の基準 5:内容に誤りがなく、聞き手の関心を集める情報と魅力的な表現が全体を 通して含まれている。完成度91~100%。 4:内容に誤りがなく、聞き手の関心を集める情報と魅力的な表現が 部分的に含まれている。完成度76~90% 3:内容に誤りはないが、聞き手の関心を集める情報が含まれていない。 表現が魅力的でない。完成度51~75%。 2:内容に一部誤りがあり、聞き手の関心を集める情報が含まれていない。 表現が魅力的でない。完成度31~50%。 1:内容に複数誤りがあり、聞き手の関心を集める情報が含まれていない。 表現が魅力的でない。完成度0~30%。 対象 ・小学6年生の児童があなたに相談します。 条件 ・小学6年生にわかる言葉づかいで回答してください。 |
■授業の流れ
①資料・原稿づくり
クラスを東京都と神奈川県の2チームに分割し、各チームで紹介するテーマのアイデア出し、内容の構成の検討、作業分担を行いました。テーマが決定したら、各自で資料と原稿づくりを実施しました。
②導入:授業の目的と手順、生成AIの使い方を説明
児童に生成AIを使って原稿の評価と改善を行うことを伝え、生成AIの基本的な使い方とチャットへの入力方法や、助言を受ける際の注意点(個人情報を入力しないこと、助言をしっかり読むこと)を説明しました。
③展開:原稿の評価と改善
児童に自身の作成した原稿をtomoLinks「生成AI学習支援機能(チャッともシンク)」に入力してもらい、生成AIから評価と助言を受け、受け取った助言をもとに原稿を修正してもらいました。
④まとめ
生成AIとの対話がどうだったかを児童に問いかけ、意見を発表してもらいました。
肯定的な意見や原稿改善に役立ったというフィードバックが多く出ました。
また、授業後にとったアンケートで「AIを活用して原稿を直す作業が本単元の成功に役立った」と回答した児童は全体の81.7%でした。



児童の感想 ※児童の日記より抜粋
・得点がつき、そして助言を書いてくれるのでよくわかりました。4になり、直すとすばらしいと言われました。直すと上達してとてもよいものになったと思います。
・どこの何について説明しているのが書かれていなかったので直したら、評価が5になり、より良い文を作ることが出来ました。「直す所はありません。」と書かれていてうれしかったです。
・情報ばかりのせていて、何か岡山の学校の人たちに楽しんでもらえそうな内容が入っていないから、3点や4点だったそうです。ヒントをもらって楽しいスライドにしたいです。
先生の感想・分析
・児童の積極的な参加
多くの児童が生成AIを使い、自分の原稿の改善に取り組む姿勢が見られました。
・生成AIの有用性
生成AIが提供する具体的な助言が、児童の原稿改善に大いに役立ちました。児童がAIの評価だけでなく、助言の内容にも注目するようになったのがよかったです。
・学びの質の向上
フィードバックを受けて改善するプロセスを体験することで、児童は自己改善の重要性を学んだのではないかと思います。
※記載内容は、2024年9月時点の内容です
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